2022/12/18

日没直後に全惑星勢ぞろい

とても珍しい天体現象として、12月20日頃から31日頃まで、夕方の空に水星から海王星まで7惑星が全部そろいます。

見えるタイミングは日の入り(日と場所によって違いますがだいたい16時30分頃)の30分後から1時間後くらいの約30分間です。これより早いと空が明るいため南西の地平線近くの水星が見づらく、反対にこれより遅いと水星や金星が沈んでしまいます。天王星は5.7等星で海王星は7.9等星ですので、この2つを見るには少なくとも双眼鏡が必要ですが、残りの5惑星は肉眼で見えます。次回全惑星が揃って見られるのは2061年だそうですので、非常に珍しいことです。

実は、今日も7惑星全部が勢ぞろいしてはいるのですが、日没過ぎて空が暗くなる頃には金星が沈んでしまいますので見えませんし、あまり明るくない水星が地平線近くなので見にくいです。空が暗くなった頃にまだ水星と金星が沈まずに残っているのが12月20日頃からなのです。1月に入るとこんどは水星が日没頃には沈んでしまうようになるので見えなくなります。従って、全惑星が見えるのが12月20日頃から31日頃までとなります。

西那須野から見たクリスマスイブの日12月24日17時20分の星空は以下の通りです。水星と金星が低い位置なので南西方向に障害物のない所を見つける必要があります。



余談ですが、私たちが小学生だった頃は冥王星が一番外側の惑星と習いました。太陽に近い方から「水金地火木土天海冥」と暗記したものです。しかし冥王星は月よりも小さな天体なのです。そして近年の観測技術の進歩によって冥王星の軌道の近くに同じくらいのサイズの天体が幾つも発見されました。それらの扱いを巡って惑星の定義が見直され、2006年に冥王星は惑星から外されて「準惑星」という扱いになりました。その結果、一番外側の惑星は海王星になりました。なお、上の画像の時に、冥王星も水星の少し上に位置しています。一昔前でしたら「8惑星全て勢ぞろい」と言えたんですね。ただし冥王星は14.5等星なので、見るには口径300mm以上のかなり大きい望遠鏡が必要です。

詳しくは国立科学博物館の下記のページをご覧ください。