10月4日の『1年ぶりに孫に会いに福井に行ってきました』のところに書きましたが、今回福井へ行った帰りに富山県の黒部峡谷の上流にある名剣(めいけん)温泉に泊ってきました。「日本秘湯を守る会」の会員宿で、車が通れる道はないので車で行くことは出来ず、宇奈月から黒部峡谷鉄道のトロッコ列車に1時間20分ほど乗って終点の欅平(けやきだいら)まで行き、そこから山道を20分くらい歩いたところにある一軒宿です。
黒部峡谷鉄道でしか行けないため、黒部峡谷鉄道が欅平まで運転している5月下旬から11月中旬の間しか営業していません。ずっと行きたいと思っていた宿だったのですが、前回宇奈月に行ったのは雪の大谷を見に行った2017年5月の上旬だったので黒部峡谷鉄道は雪のためにまだ途中の鐘釣までしか運転しておらず、仕方なく宇奈月温泉に泊りました。今回やっと念願かなって行って来ることができました。
≪ 出発点の黒部峡谷鉄道宇奈月駅です ≫
≪ 車は駅前の駐車場に1泊で預かってもらいました ≫
≪ トロッコ列車に乗車です ≫
≪ こんなところを走ります ≫
≪ 鐘釣駅で途中下車して景色を楽しみました ≫
≪ 鐘釣~欅平間の車窓からの景色です ≫
≪ 終点欅平駅に着きました ≫
≪ 黒部川にかかる奥鐘橋から見た欅平駅です ≫
≪ 岩を削って作った道です。人喰岩という名前がついています ≫
≪ 欅平駅と奥鐘橋の遠景です ≫
≪ やっと名剣温泉が見えてきました ≫
≪ 名剣温泉の玄関です ≫
名剣温泉は客室数11室(以前は全て共同トイレだったのですが、最近6室をトイレ付に改装しました)の小さな旅館です。切り立った山々に囲まれ、すぐ下には黒部川が流れています。携帯電話はかろうじて使えますが、テレビはありません。お風呂は男女別の内風呂・露天風呂、それに貸切風呂があります。泉質は単純硫黄泉です。硫黄泉と言っても硫化水素を含まない単純硫黄泉ですので無色透明で匂いはほとんどありません。お風呂はどれも結構な広さがあり、手入れも行き届いていてきれいでした。
≪ 今回泊った部屋です。トイレ付きです ≫
≪ 最新のシャワートイレが付いていました ≫
≪ 便器は最新ですが扉は昭和風です ≫
≪ トイレ向かいの洗面台です ≫
≪ 部屋の窓からの眺めです、名剣山の山裾です ≫
≪ 露天風呂へ降りる道です ≫
≪ 露天風呂です。手前が男湯、奥が女湯です ≫
≪ 奥の女湯の入り口です ≫
≪ 女湯です、十分に大きいです ≫
≪ 洗い場も十分な広さがあります ≫
≪ 男湯です。女湯と左右対称のようです ≫
≪ 温泉にしては珍しくソープ・シャンプー使用可です ≫
≪ 内湯の男湯です ≫
一番感心したのが食事で、山の中ですから山菜類が多いのですが、全て丁寧に調理され、おいしく食べてもらおうという工夫が感じられました。例えばこごみ(旬は春のはずですが、雪深いこのあたりでは今頃まで採れるそうです)の生ハム巻きや山菜入りのグラタンなど、定番のおひたしや天ぷらしか知らない私にはとても新鮮でした。イワナの塩焼きも頭から全部食べられるように、時間をかけて丁寧に焼かれていました。露天風呂で一緒になった登山好きの80代の方は、今回が4回目で、料理がおいしくて何度も足を運んでいると言ってました。納得です。
また「日本秘湯を守る会」の宿限定で販売しているビールがあります。名前は「秘湯ビール」といい、秋田県のあきた芸術村というところで作っている地ビールです。特徴は日本で唯一ブナの天然酵母を使って醸造したビールとのことです。夕食の時に試しに飲んでみたらなかなかおいしいビールでしたので、お土産にも買って来てしまいました。販売しているのが「日本秘湯を守る会」の宿だけで、売れるのも主に夕食時だけでしょうから、商売としてはそれほど利益が期待できるものでもないでしょうが、こういうプレミアム感は好感が持てますので、是非続けてもらいたいと思います。
≪ 秘湯ビールです ≫
帰りは、始発が10:01なので、朝食後にゆっくりと朝風呂をいただいてから帰り支度をしました。
≪ 乗る列車がホームに入ってきました ≫
≪ この列車の乗車券と整理券です ≫
≪ 終点の宇奈月温泉が見えてきました ≫
「日本秘湯を守る会」の会員宿は現在115軒ですが富山県は2軒だけです。私は秘湯マニアというわけではありませんが、あと1軒の立山室堂平の「みくりが池温泉」にも行ったことがあります。日本一高いところにある温泉です。昨年2月26日の『ライチョウ』のブログを見てください。
栃木県には7軒ありますが、奥鬼怒温泉の八丁湯を除いて全て車で行くことができます。八丁湯は道路がないわけではなく、日光国立公園内で一般車両の通行が禁止されているだけですので、事前に予約すれば途中の駐車場から宿のバスで送迎してくれます。また全ての宿でテレビが見られます。それらと比べると、名剣温泉は本当の秘湯という感じがします。できれば、また行きたいと思っています。