高齢運転者の事故防止を目的として、高齢者の運転免許更新関連の道路交通法の改正が進められています。来年6月までに実施される予定です。私も該当者なので、どう改正になるのか気になっていたのですが、その内容がJAFの冊子(JAF Mate 7月号)に載りましたので紹介します。
一番大き変更点は、75歳以上で一定の違反歴のある運転者は運転技能検査(実技)を受けて合格しないと免許証の更新が出来なくなることです。75歳以上でも違反歴のない運転者は大きな変更はありません。
一定の違反行為には11項目が挙げられています。これは警察庁が過去3年間に死亡・重傷事故を起こした人の数や違反行為を分析し、将来重大事故を起こす危険性が高い違反行為を特定したものだそうです。これらの違反行為が1つでもあれば、運転技能検査を受けなければなりません。検査は一発勝負ではなく、更新期間中ならば合格するまで何回でも受検することができます。しかし、混んでいてすぐに再受検することが難しい場合があるので、注意が必要でしょう。
運転技能検査は自動車教習所などのコースを走行して実施されます。課題は「指示速度による走行」、「一時停止」、「右折・左折」、「信号通過」、「段差乗り上げ」が予定されているそうです(「段差乗り上げ」って何でしょうか?)。100点満点で70点以上が合格で、信号無視や右左折時の逆走など事故の危険度の高いものは一度で不合格だそうです。
認知機能検査も効率化に向けて見直されるとのことです。判定も3区分から、認知症のおそれ有無の2区分になります。
また、70歳以上の人が全員が受ける高齢者講習も変わるそうです。今まででも高齢者講習で実車指導はありましたが、名前の通り安全運転を指導するだけでした。しかし今回の改正では、運転技能を評価して点数付けをし、これで不合格になることはないものの、点数次第では免許証の自主返納や、今回の改正で新設予定の「サポカー限定免許」への移行を「勧告」されることもあるようです。違反者で運転技能検査を受けた人は、それに合格していれば高齢者講習の実車指導は免除されます。
違反者の運転技能検査も違反のない人の実車指導も、どちらも問われるのは運転技術ではなく、普段から守らなくてはならない安全運転の基本です。一見、不合格になるはずのない項目ばかりですが、警察庁が事前に75歳以上の運転者を対象にテストしたところ、約2割の人が不合格だったそうです。そのうち最も多かったのが「一時停止違反」だったそうです。ちゃんと停止しなかった、停止線を越えて交差道路に入ってしまったなどです。私も含めて高齢者の方は「自分は大丈夫」と考えているでしょうが、同年代の2割の人が不合格の運転をしているという現実を認識し、初心に返って安全運転を心がけましょう。
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