5月8日から11日にかけて、太陽表面で最大クラスのフレアが7回発生しました。このクラスのフレアが連続して7回も観測されたのは初めてだそうです。それにより放出されたガスや荷電粒子が11日に地球に到達し、磁気嵐が観測されているそうです。
この影響で普段は高緯度でしか見られないオーロラが北海道や北陸でも観測されたとのニュースがありました。とは言っても肉眼で見るのは難しく、写真で長時間露光するとうっすらと写る程度のようです。この磁気嵐はあと数日は続く見込みで、人工衛星の障害やGPSへの影響、短波通信への障害などが心配されています。強い磁気嵐が来ると地磁気の変動が起きて送電網に影響を与えることもあります。有名なところでは1989年3月にカナダで600万人以上に影響を与える大規模停電が起き、完全復旧に数ヵ月かかった事故がありました。
強い磁気嵐の時はオーロラ爆発と言われる非常に活動的なオーロラが見られることがありますが、残念ながら今は北欧やアラスカなど北半球の高緯度地方は白夜に近いので夜も明るく、オーロラ観察には向きません。私はオーロラ爆発はテレビでしか見たことがありませんが、普通のオーロラは北欧に2回見に行って、運良く2回とも見ることが出来ました。
1回目は2011年1月、スウェーデンのアビスコです。ここは1泊だけで、その日は午後からずっと吹雪いてあきらめていたのですが、夜中に奇跡的に突然雪が止んで空が晴れ渡り、そこに結構強いオーロラが見えていました。
2回目は2012年12月、フィンランドのユッラスです。これは団体ツアーでユッラスに4泊しました。1日目・2日目は空振りでしたが、3日目に弱いオーロラが出て、最終日4日目に無事に見ることが出来ました。とても長時間出ていて、寒い中で4時間くらい見ていました。
オーロラの終りかけにみんなで記念撮影。
フラッシュを焚くと雰囲気が壊れるので、
みんな動かずに長時間露光で撮りました。
帰り道、道端の温度計は-16℃でした。
例によって、高級一眼レフなどではなく、コンパクトデジカメでの撮影です。あまり感度を上げられないので長時間露光しています。全部絞り開放でアビスコのは15秒、ユッラスのは30秒です(温度計の写真は除きます)。
オーロラは写真では緑色に写っていますが、カメラと目では色に対する感度が違うため、肉眼ではほとんど白色にしか見えません。強いところが少し緑っぽく見える程度です。弱いオーロラはぼんやりした白い雲を見ているのと変わりありません。しかし白色でもオーロラがカーテンのようにゆらゆら揺れたり電気が点滅するようにチカチカする様はとても神秘的でいつまで見ていても飽きません。